とけていく…
「なぁ、真紀先輩って…」
桜並木からこぼれてくる陽の光を眺めて歩いていると、不意に雄介が口を開く。しかし、「…ま、いいや」と言って、雄介は開いた口を閉じてしまった。
涼には、雄介の言いたいことがわかっていたが、何も言わずに気付かないふりをした。雄介は、由里と何度も会っている。いくらバカでも、気付かないはずはないだろう。
「あ、そだ。コンビニ寄りたいんだわ」
やがて桜並木を通り過ぎ、雄介は見えてきたコンビニの看板を指した。
「ん。俺も、昼飯買わなきゃ」
「あ、今日、昼飯おごってやるよ!」
突然の提案に、涼は眉をひそめた。
「なんで?」
「臨時収入があってよ」
「フラられたの、俺のせいなんだろ?」
「まぁ、なんだ。それとこれとは話が別というか… 黙っておごられとけって」
雄介は、苦し紛れに白い歯を見せてニカっと笑った。
「…怪しいな。何企んでるんだよ?」
変に笑う雄介を、涼は横目で睨む。
「ま、女じゃねーんだから、細かいことは気にしない!」
そう言いながら、雄介は彼の自転車のハンドルを奪い、コンビニに向かって行った。
(なんなんだ? あいつ…)
その後を追うように、涼は雄介に続いた。
桜並木からこぼれてくる陽の光を眺めて歩いていると、不意に雄介が口を開く。しかし、「…ま、いいや」と言って、雄介は開いた口を閉じてしまった。
涼には、雄介の言いたいことがわかっていたが、何も言わずに気付かないふりをした。雄介は、由里と何度も会っている。いくらバカでも、気付かないはずはないだろう。
「あ、そだ。コンビニ寄りたいんだわ」
やがて桜並木を通り過ぎ、雄介は見えてきたコンビニの看板を指した。
「ん。俺も、昼飯買わなきゃ」
「あ、今日、昼飯おごってやるよ!」
突然の提案に、涼は眉をひそめた。
「なんで?」
「臨時収入があってよ」
「フラられたの、俺のせいなんだろ?」
「まぁ、なんだ。それとこれとは話が別というか… 黙っておごられとけって」
雄介は、苦し紛れに白い歯を見せてニカっと笑った。
「…怪しいな。何企んでるんだよ?」
変に笑う雄介を、涼は横目で睨む。
「ま、女じゃねーんだから、細かいことは気にしない!」
そう言いながら、雄介は彼の自転車のハンドルを奪い、コンビニに向かって行った。
(なんなんだ? あいつ…)
その後を追うように、涼は雄介に続いた。