とけていく…
四.
カーテンを引きっぱなしの部屋は薄暗く、その空間には生気を感じることができなかった。涼は何もやる気が起こらず、ただだらしなく寝そべっていた。
彼は、ひどく後悔していた。
弾くんじゃなかった。
あんなもん、勝負するもんじゃない。
相手は音大生だぞ。
その後悔の渦は、彼の頭の中でずっと渦巻いてる。彼は、正樹のあの挑発した目が引っ掛かっていた。ただの負けず嫌いなだけなのか、生理的に嫌われたのか、彼にはわからなかった。
(俺は二年前に一度ピアノをやめた。なぜ挑発に乗り、弾いたんだ…)
寝そべったまま、手でカーテンをめくると、彼は初めて雨が窓に打ち付けていることに気付いた。
彼は、ひどく後悔していた。
弾くんじゃなかった。
あんなもん、勝負するもんじゃない。
相手は音大生だぞ。
その後悔の渦は、彼の頭の中でずっと渦巻いてる。彼は、正樹のあの挑発した目が引っ掛かっていた。ただの負けず嫌いなだけなのか、生理的に嫌われたのか、彼にはわからなかった。
(俺は二年前に一度ピアノをやめた。なぜ挑発に乗り、弾いたんだ…)
寝そべったまま、手でカーテンをめくると、彼は初めて雨が窓に打ち付けていることに気付いた。