とけていく…
ドルチェを出た時、辺りは薄暗くなり始めていた。駅に向かって歩いている彼は、まだ胸がドキドキしていた。
真紀は最後まで店に現れることはなかった。相当質の悪い風邪に苛まれているのだろうかと涼は少しだけ気になったのだが、マスターのあの穏やかな振る舞いから、店を出る頃には心配するほどのことではないのだろうと思うようになっていた。
制服のズボンのポケットには、さっき受け取ったピアノのキーが入っている。それをポケットの上から軽く叩きながら上機嫌で彼は歩いていた。
店で弾く曲を考えていると、今度はカバンの外ポケットに入れていた携帯が鳴り出した。どうやらメールのようだ。
(雄介、かな…?)
そう思いながら、ポケット携帯を取り出すと、メールの主は紫だった。そのままメールを開いて本文に目を通す。するとそのままの姿勢で、涼は返信に困り、固まった。
(どうしたんだ、あいつ…?)
眉間にしわを寄せながら、涼は駅に急いだ。
真紀は最後まで店に現れることはなかった。相当質の悪い風邪に苛まれているのだろうかと涼は少しだけ気になったのだが、マスターのあの穏やかな振る舞いから、店を出る頃には心配するほどのことではないのだろうと思うようになっていた。
制服のズボンのポケットには、さっき受け取ったピアノのキーが入っている。それをポケットの上から軽く叩きながら上機嫌で彼は歩いていた。
店で弾く曲を考えていると、今度はカバンの外ポケットに入れていた携帯が鳴り出した。どうやらメールのようだ。
(雄介、かな…?)
そう思いながら、ポケット携帯を取り出すと、メールの主は紫だった。そのままメールを開いて本文に目を通す。するとそのままの姿勢で、涼は返信に困り、固まった。
(どうしたんだ、あいつ…?)
眉間にしわを寄せながら、涼は駅に急いだ。