とけていく…
向かい合って座る二人は、やはりぎこちなかった。二人の視線はトレーに乗ったポテトを見つめている。会話のきっかけを掴めないでいる彼らの空気は、誰が見ても重たかった。
「…あのさ」
そんな重苦しい空気を払拭するように先に声を掛けたのは、涼だった。
「え?」
「雄介が、来週から始まるインターハイの予選を二人で見に来いだってよ」
「え、二人? …ってあたしと涼で? 涼、バスケになんか興味あるの?」
涼は、「別にない」と答えてから、コーラを一口飲んだ。
「じゃぁ、何しに行くのよ?」
「さぁ…」
紫は、涼の反応にため息をついた。
「昨日のことに気を使ってるなら、別にいいよ。…てか、冷静に考えたら、何してるんだよね、あたし…」
目を伏せて、顔を赤らめる紫は、肩を落とした。
「なんか、妬いちゃったんだよね。あたしの方が先に、しかも長く片思いしてたのに、あの人とすごく仲良さそうでさ。焦っちゃった…」
「いや、あいつはそんなんじゃないし…」
涼は苦笑いした。
「ホント? 」
疑い深く紫は聞き返す。
「ホントも何も、向こうが勝手に言ってることだし」
すると、紫の顔がパッと電気が点いたように明るくなった。そして、勢いよく身を乗り出して来る。
「…あのさ」
そんな重苦しい空気を払拭するように先に声を掛けたのは、涼だった。
「え?」
「雄介が、来週から始まるインターハイの予選を二人で見に来いだってよ」
「え、二人? …ってあたしと涼で? 涼、バスケになんか興味あるの?」
涼は、「別にない」と答えてから、コーラを一口飲んだ。
「じゃぁ、何しに行くのよ?」
「さぁ…」
紫は、涼の反応にため息をついた。
「昨日のことに気を使ってるなら、別にいいよ。…てか、冷静に考えたら、何してるんだよね、あたし…」
目を伏せて、顔を赤らめる紫は、肩を落とした。
「なんか、妬いちゃったんだよね。あたしの方が先に、しかも長く片思いしてたのに、あの人とすごく仲良さそうでさ。焦っちゃった…」
「いや、あいつはそんなんじゃないし…」
涼は苦笑いした。
「ホント? 」
疑い深く紫は聞き返す。
「ホントも何も、向こうが勝手に言ってることだし」
すると、紫の顔がパッと電気が点いたように明るくなった。そして、勢いよく身を乗り出して来る。