とけていく…
晴れた穏やかな午後。ランチタイムも何とか落ち着き、店内の客がはけた時だった。久しぶりに正樹が店の手伝いに来たのだ。マスターは買い物に出かけたため、真紀と正樹が店番をしていたところだった。
彼女は丸いトレーを抱きしめたまま窓の外に目をやった。抜けるような青い
空からは、眩しい光線が地面に強く降り注いた。もうすぐそこまで夏は来ている。
(あの真っ直ぐな光線に射抜かれたら…)
真紀はぼーっとその夏の日差しを眺めていた。
「真紀?」
苦笑いを浮かべながら、正樹は再び遠くにいってしまった彼女を呼んだ。彼の声に気づき、真紀は取り繕うように笑い、立ち上がった。
「ねぇ、お腹すかない? 適当に何か作るね。」
そう言いながら、棚から食パンを取り出す。「ピザトーストでいい?」と真紀がそう聞くと、正樹はうなずいた。
正樹に背を向けて調理を始めた真紀は、何と無くため息を吐いた。そのため息が、今の彼女の心情を物語っているかのように、散っていったのだった。
彼女は丸いトレーを抱きしめたまま窓の外に目をやった。抜けるような青い
空からは、眩しい光線が地面に強く降り注いた。もうすぐそこまで夏は来ている。
(あの真っ直ぐな光線に射抜かれたら…)
真紀はぼーっとその夏の日差しを眺めていた。
「真紀?」
苦笑いを浮かべながら、正樹は再び遠くにいってしまった彼女を呼んだ。彼の声に気づき、真紀は取り繕うように笑い、立ち上がった。
「ねぇ、お腹すかない? 適当に何か作るね。」
そう言いながら、棚から食パンを取り出す。「ピザトーストでいい?」と真紀がそう聞くと、正樹はうなずいた。
正樹に背を向けて調理を始めた真紀は、何と無くため息を吐いた。そのため息が、今の彼女の心情を物語っているかのように、散っていったのだった。