とけていく…
今日は本当に暑かった。初夏を通り越して、まるで夏だった。容赦なく照りつける強い日差しに、ひっきりなしに滴る汗。夏の到来を予感させる、そんな天気だった。
「海行きてぇな…」
涼は雲ひとつない真っ青な空を眺めながら、ぽつりとつぶやいた。
「そーいえば、中三の夏、みんなで行ったよねー…」
紫が不意に、以前の記憶を引っ張り出して、口にする。
「そうそう、雄介が海パンなくしちゃって、バカだよなー」
二人で中学の頃の夏の思い出を語っていると、「雄介の試合やめて、海、行っちゃう?」と紫が突然そう言いだしたのだ。
そんな彼女の提案に、「あいつ、怒んないかな」と涼はつぶやいたが、すぐに気を取り直して「ま、いっか」と彼女に賛同した。そして二人はまわりの人ごみと溶け込むように駅の改札を抜けたのだった。
「海行きてぇな…」
涼は雲ひとつない真っ青な空を眺めながら、ぽつりとつぶやいた。
「そーいえば、中三の夏、みんなで行ったよねー…」
紫が不意に、以前の記憶を引っ張り出して、口にする。
「そうそう、雄介が海パンなくしちゃって、バカだよなー」
二人で中学の頃の夏の思い出を語っていると、「雄介の試合やめて、海、行っちゃう?」と紫が突然そう言いだしたのだ。
そんな彼女の提案に、「あいつ、怒んないかな」と涼はつぶやいたが、すぐに気を取り直して「ま、いっか」と彼女に賛同した。そして二人はまわりの人ごみと溶け込むように駅の改札を抜けたのだった。