ロスト・プリンセス
涼介side
例の手紙の指示通り夜は家に居た。
約束の時間が少し過ぎた頃にインターホンが鳴った。誰だ…?
恐る恐る開けた扉の先には…柚稀が立っていた。これは夢?
あまりにも柚稀の事を考え過ぎて頭おかしくなったとか?
でも、俺の前で涙をポロポロ流しながら立っているのは間違いなく柚稀だったり「会いたかった…」
もう二度と離したくないそう思ってたら身体が勝手に柚稀を抱きしめていた。
り「…どうしたの?」
柚稀を部屋へ上げて、
お互い少し落ち着いてから尋ねた。
ゆ「何人かの人に涼介と会えるように協力してくれたみたいなの。」
り「あぁ…そうか」
ゆ「あの…ごめんなさいっ!」
り「何が?」
ゆ「私のせいで…殴られたり、迷惑かけて…」
り「別に柚稀のせいだとかは思ってない。
まぁ…精神的には結構きつかったけど…」
自分があんなに弱るとは想像もつかなかった。
ゆ「…涼介と離れてからね、毎日涼介の事ばかり考えててたの…」
り「…うん」
ゆ「涼介は私が不安にならないように何でも話してくれて、いつも私の事を大切にしてくれて…でも私は何も話さなかったずっと逃げてたの。」
り「……」
すると柚稀が俯きながらこう尋ねてきた。
ゆ「涼介は今でも私の事好き?」
そんな事聞かれても答えは1つに決まってんじゃんり「好きだよ。」
俺の答えを聞くと何かを決心したかのように口を開いた。
ゆ「私が、誰かはもう知ってると思うけど…
私の口からちゃんと涼介に話したいの。」
り「分かった」
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