ロスト・プリンセス
柚樹side
―次の朝。
コンコンッ
母「どうぞ。」
返事を確認して、中に入った。
母「あら…柚樹ちゃん」ゆ「…どうしてですか。」
母「何の話かしら?」
ゆ「どうして…私に協力するんですか…?」
母「……」
ゆ「今まで私がどんなに助けを求めても、あなたはお父様に嫌われる事を恐れて助けてくれなかった。なのにどうして今更になって…」
母「…約束したのよ。
千秋叔母さんと。」
…約束?…
母「千秋叔母さんが事故にあう前の日…私達会って話したの。」
ゆ「うそ…」
母「本当よ。もちろんお父さんには内緒でね。その時に言われたのよ『柚樹ちゃんが屋敷に戻ったら味方になってあげて。私みたいに勇気を出して。』ってそう言われたわ。」
ゆ「……」
母「今まで母親らしい振る舞いが出来なかった分これからは誰よりも柚樹ちゃんの味方でいるわ。たとえ柚樹ちゃんが私を信用できなくても、私はずっと味方よ。」
こんな事言われて信用できないわけないじゃん…ゆ「…ありがとう。」
母「…もう一つ言わなければいけないことがあるの。これはお父さんからの伝言」
ゆ「…なに?」
母「もう、動揺するような事じゃないとは思うけど…」






母「2週間後に婚約お披露目パーティー開催が決定したわ。」
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