ロスト・プリンセス
柚樹side
お父様の声が辺りに響いた。
…でも…
誰一人として、その指示に従おうとする者はいなかった。
父「高宮!何をしている?早くしろ!」
高「…旦那様…申し訳ございません。私にはお嬢様の幸せを奪うようなことは出来ません。」
父「貴様…!クビになってもいいのか…?!」
高「構いません。私は、お嬢様をお守りする事を条件に従って参りましたので。」
父「ちっ…なら他の者がやれ!」
他の人達もみんなお父様の指示に動こうとはしなかった。
父「なぜだ…私は斎藤家の当主だぞ!?」
ゆ「…お父様…いい加減にしたらどうですか?見苦しいですよ。」
父「何…?」
ゆ「分かりませんか?みんなが何故お父様の命令に従わないのか。」
父「……」
ゆ「みんなが従っていたのは、お父様、あなたの人柄や人格からではなく権力とお金による恐怖です。何一つお父様自身の力ではありません。」
そして結果、多くの人の信頼を失った…。
ゆ「お金とか、地位とかそういう簡単に無くなる物じゃなくて、もっと大切な何かがあると私は思います。」
?「柚樹ちゃんの言っている事は間違ってないわ。」
ゆ「…お母さん?!」
母「ありがとう、大切な事を教えてくれて。」
ゆ「……」
私にお礼を言うと、お母さんはお父様のそばに寄った。
父「…お前も私から離れるのか…?」
母「そんなわけ無いでしょう?でも、もういいでしょ?柚樹ちゃんを自由にさせてあげて。」
父「……」
母「…柚樹ちゃん行きなさい。」
無言のお父様を見つめながらお母さんが言った。ゆ「で、でも…」
母「もう大丈夫よ。自分で掴んだ幸せ…大切にしなさい。」
ゆ「…はいっ…」
押し寄せる取材陣の波の中、高宮達に守られながら私と涼介はその場をあとにした…。
お父様の声が辺りに響いた。
…でも…
誰一人として、その指示に従おうとする者はいなかった。
父「高宮!何をしている?早くしろ!」
高「…旦那様…申し訳ございません。私にはお嬢様の幸せを奪うようなことは出来ません。」
父「貴様…!クビになってもいいのか…?!」
高「構いません。私は、お嬢様をお守りする事を条件に従って参りましたので。」
父「ちっ…なら他の者がやれ!」
他の人達もみんなお父様の指示に動こうとはしなかった。
父「なぜだ…私は斎藤家の当主だぞ!?」
ゆ「…お父様…いい加減にしたらどうですか?見苦しいですよ。」
父「何…?」
ゆ「分かりませんか?みんなが何故お父様の命令に従わないのか。」
父「……」
ゆ「みんなが従っていたのは、お父様、あなたの人柄や人格からではなく権力とお金による恐怖です。何一つお父様自身の力ではありません。」
そして結果、多くの人の信頼を失った…。
ゆ「お金とか、地位とかそういう簡単に無くなる物じゃなくて、もっと大切な何かがあると私は思います。」
?「柚樹ちゃんの言っている事は間違ってないわ。」
ゆ「…お母さん?!」
母「ありがとう、大切な事を教えてくれて。」
ゆ「……」
私にお礼を言うと、お母さんはお父様のそばに寄った。
父「…お前も私から離れるのか…?」
母「そんなわけ無いでしょう?でも、もういいでしょ?柚樹ちゃんを自由にさせてあげて。」
父「……」
母「…柚樹ちゃん行きなさい。」
無言のお父様を見つめながらお母さんが言った。ゆ「で、でも…」
母「もう大丈夫よ。自分で掴んだ幸せ…大切にしなさい。」
ゆ「…はいっ…」
押し寄せる取材陣の波の中、高宮達に守られながら私と涼介はその場をあとにした…。