私は嘘をつく~最後のワガママ~【完】
海里くんへ
海里くんがこの手紙を読んでいる頃には
私はもうこの世にいないかも知れません。
実は小さい頃から生まれつきの心臓の病気で
長くは生きられないと言われていました。
でも、海里くんと出会って希望がみえた。
海里くんと出会うまで、私は死に怯えて暮らしてた。
けれど、そんな暗闇を海里くんの笑顔が
明るく照らしてくれた。
毎日が輝いて見えた。
私に光をくれてありがとう。
それとね?
好きな人ができたっていうのは嘘だったの。
こうするしかなかった。
本当はね?
1年記念日の日に入院の予定でね?
最後に一緒に過ごしたかったの。
けどムリだったね(笑)
だから、おねがい。
私のワガママ聞いて?
私のことは忘れて。
そして、幸せになって下さい。
これが最後のワガママ!
サヨナラ、海里くん!