切恋~二人の約束~

 それからキミしか頭にない私は両親と喧嘩が絶えなくなった


 「勉強は?終わったの?」


 「まだだよ」


 「しっかりやりなさい!」

 「お母さん・・夢姫も大変なんだから・・・」

 「お父さんは黙ってて!夢姫!」

 「やるときはやるから!」

 パシっ・・・乾いた音が響いた。

 「お母さん!!」


 「しっかりしなさい!」

 「高校に行ってるのに!最低だよ・・・」

 きづけば私は家を出て走っていた。

 走って、走って・・・

 誰かに手を引かれた。

 「君一人?」 「何してんの?」

 それは男性で、私は
  
 恐怖を覚えた

 「離してください!」 「え~?」

 男性は笑ってたけど力は強かった。

 「今の時間に何で一人なの?」

 「こっち来いよ」
 
  「嫌!痛いっ」

 男性は私を陰に退くと口と手を抑えた

 「!」 「声出すなよ?」「久しぶりだな~」


 私の頭の中は『恐怖』しかなかった。

 でも頭に浮かんだのは和だった




 『夢姫は僕のもの。だから何かあったら名前呼んで?
   すぐに助けに行くから』

 今頭の中にあるのはやっぱりキミで


 「一回手離したほうが良くね?」  「分かった」


 男性が手を離したとき、やっぱりキミだけしかいなくて 

 「・・助けて・・和!!」

 男性は焦った感じで、また口を塞いだ。

 でもね?キミの声が聞こえたの


 「何してんの」





 
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