コンビニにて

「嘘に決まってるじゃん。
私、子ども嫌いだし」

張り上げた彼女の声は、先ほど店に飛び込んできた母親のように震えてしまっていた。
彼女たちが立ち止まったために、私も物陰に隠れた。


「お母さんが毎日毎日仕事大変そうだったから、同じ学校に勤務したら少しは一緒にいられる時間が増えるかなって……。

せめて夕飯くらいは一緒に食べられるのかなって、そう思ったから。

心にもないこと言ってあげたのに。」


「自分の子どもより他の家の子どもが大事?

クラスのいじめを止めようと真面目になるのは素敵なオシゴトだけどさ。

それって自分の娘を家に残しておいてまですることなの?

自分の娘が学校でいじめられていても、オシゴトじゃないから……お金がもらえないから、助けようともしないんだよね」

和花ちゃんの言葉に、私は胸が締め付けられた。
私だけじゃなくて、きっと、彼女の言葉を受け止めた母親だって。

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