秋恋短編集



いつも通りに僕の絵を見て回る彼女に、初めて近づく。


「…あの、僕のことも見てみませんか?」


背後から声を掛けた僕に、振り返りながら向ける彼女の視線に胸が高鳴る。


意味がわからず、きょとんとした表情で僕を見上げる彼女。

正直、今の僕はただの不審者同然だろう。

それでも僕は、彼女の視線を向けられることに喜びを感じた。




さあ、どうやってその視線を繋ぎ止めようか。




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