202号室の、お兄さん☆【完】

「だから、あの人多分『自称』探偵だと思うな。寺を継いで欲しいならしばらく自由にさせろ的な要求をしていると見た!」
「なる程~~。皇汰君、す・て・き」
まんざらでもない皇汰は、ますます機嫌が良くなる。

でも前々回、下着泥棒と推理を間違えてたんだけどね。



「……やさぐれちゃったのかな」

自分がこのまま跡取りの予定だったのに、葉瀬川さんを推されて、

――自分の存在価値に、意味が無いような気がしたり。

葉瀬川さんが嫌がったから、仕方なく本来のまま、自分が継ぐ事に抵抗があるのかも。




「姉ちゃん、変に相手の事を考えるなよ。同情なんかしたら隙ができるぞ」
「大丈夫だよ」

多分、簡単。
少しでも、あの人が父親を誉めたら、拒絶しちゃうだろう。


「なら、明日の打ち合わせを再開するよ」

安心したのか、やや鼻息を荒ただせ計画を簡単にだが伝えてくれた。

前回、買い物カートで敷いたり、お店の棚に突っ込ませたりしてるから、少し不安なのですが……。
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