202号室の、お兄さん☆【完】
岳リンさんは180センチも無く、ドラガンさんは190センチぐらいありそうです。
ですが、岳リンさんは負けじと睨みつけ、私を背にかばった。
「フーン。本当にデートだッタのネー?」
元から戦意などないドラガンさんは、岳リンさんを上から下まで見つつ、一人納得していた。
「じゃあ、撫子、また会おうネー」
あっさりと引いたドラガンさんに、岳リンさんが微かにホッとしたのか息を吐いた。
「あ、あの」
「お前、トロそうだから変なのに声かけらるんだよ」
苛々した様子の岳リンさんは、私を睨みつける。
……岳リンさんの勝手な勘違いだけど、助けてもらった事になるのかな?
お礼、言わなければ……。
そう思いながらも、岳リンさんの冷たい視線が怖くて、身動きが取れなかった。
「……何?」
訝しげに私を見る、岳リンさんに、私は早速作戦通りの言葉を言う。
「で、デートって初めてだから、緊張しちゃって……」
「はぁ?」