202号室の、お兄さん☆【完】

作戦その1
張り切ってオシャレして、純粋にデートを楽しむ為に来た様に見せること。もしかしたら、相手が、少しは罪悪感を持ち、こちら有利になるかもしれない。
作戦その2
カップルのアトラクションで良い雰囲気、又は相手をほめちぎり良い気分にさせること

作戦その3
聞きたい肝心の話は、良い雰囲気で。険悪な雰囲気では互いに本音は出て来ない。

この作戦の為に、鞄には目薬、絆創膏、手作りクッキー、催涙スプレー、ボイスレコーダーが入って、いた。


入っていたのだけれど……。





「携帯、出なくて良かったのか?」



私と岳理さんは、沈みかけた夕日を背に、只今観覧車に乗っています。

「……やはり、正々堂々とします。その、」


もし、無理矢理何かされたら、催涙スプレーもあるし。
それに、閉所恐怖症で高所恐怖症な岳理さんは、うずくまるように、座っているし危険は感じない。




「岳理さん、この前は、無口で無愛想で怖い人だったけど、今日は、自分は苦手なのに私に付き合って色々廻ってくれた、から」

だから、

疑わず、正々堂々としていたいんです。
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