202号室の、お兄さん☆【完】
「お兄さん……」

「僕はただのお隣さんだと思ってますか? だから、相談もしてくれないんですか?」

寂しそうにそう言われ、慌てて否定しようとしたが、どう言っていいか分からない。
ただ、違うのは確かなのに。


「月曜、千景さんと大学に向かってるみかどちゃんを見て、とても寂しくなりました。

僕には、あんな風に心から気を許してくれてないなって。
本当は日曜日の事だって気になってたけど、どう聞いていいか分からなくて……。
そうしたら、どんな表情で話していいか分からなくて」


「あ、の、違う、違う……です」

違う、けど気持ちは同じ。

お互い、距離を感じて気持ち悪かったんです。


「け、結局、日曜日は何も良い情報は無く、て、……お兄さんを喜ばせ、てあげれなく、て。だ、から、言えなく、て……」
ダメだっ。
涙と嗚咽が邪魔をする。

お兄さんがちゃんと私を見てくれているのに。

寂しげな背中を見てるだけだったのが、今はしっかり見つめあえているのに。


「定宗さんと、絆を感じたけど、私はただのお隣さんだから、寂しく……て」
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