202号室の、お兄さん☆【完】
「へー、凄いですねー。皆さんもよくご存知で」
お兄さんだけは、特に驚きもせず、関心しているだけ。
良かった……。聖マリア女学院を背負ってる時は重いだけの服だったから。
プレッシャーを感じなくてすむ。
「じゃあ、1人一袋いっぱいにするよーに。千景ちゃんとみかどちゃんは2人で1つね」
そう言って、リヒトさんから渡されたのは、スーパーにあるようなビニール袋一枚。
皆さんは、ゴミ袋一枚なのに。
「男女差別じゃっ!!」
「私もお年だから、あれがいいなー」
「女の子に労働させるとか、馬鹿なの? 女の子は俺達の応援、回復係で充分。部屋から見てるだけでも有り難く思うように」
「そうそう。早く散れ散れ。奥は男たちがやれよー」
「じゃあ、みかど、私たちもサッサと草むしりして、お昼ご飯でも作りましょう。何が良いかしらねぇ」
「大量ならば、豚汁とかおにぎりなら簡単だよね」
というか、私はまだ野菜を切って出汁をいれるぐらいの料理しかできないし。
「おにぎり良いね。具入れて海苔巻こうかな」
そう話しているうちに、ビニール袋はもう雑草でいっぱいになった。