202号室の、お兄さん☆【完】
「みかどちゃんっ」
皆さんの制止を背中に飛び出すと、外には黒塗りのベンツが止まっていた。
そのベンツにもたれ、煙草を吸っているサングラスの方は、此方を見た。
「――鳴海は?」
「……眠ってました。すみません。私が余計な事ばかりするから」
そう私が言うと、頭を二回軽く叩かれた。
「あんたは鳴海の為に頑張ったんだろ」
そう言って、煙草を消すと車に乗り込んだ。
「日曜、俺も手伝う」
「え」
「おじさん、乗っていかないのか?」
草むらで草むしりをしている葉瀬川さんは、面倒そうに首を振った。
「良い古書が入荷したらしいから遠慮する」
「あっそ」
そう言うと、そのまま振り返る事もせずに急発進して去って行った。
――自分だってお兄さんが心配なのに。
「私、頑張ります」
軍手を装着し、庭を見渡した。
後1/3ぐらいだ。皆が頑張ってくれた証拠だから。
「みかど女史、どくだみ草は鍬を使わないと、根が深いよ」
葉瀬川さんに、鍬を渡されたので、首を振り、ジョウロを出した。
「根が捕れない場合は、ジョウロで土を濡らして柔らかくしたら簡単です」
……私、頑張らなくちゃ。
皆さんの制止を背中に飛び出すと、外には黒塗りのベンツが止まっていた。
そのベンツにもたれ、煙草を吸っているサングラスの方は、此方を見た。
「――鳴海は?」
「……眠ってました。すみません。私が余計な事ばかりするから」
そう私が言うと、頭を二回軽く叩かれた。
「あんたは鳴海の為に頑張ったんだろ」
そう言って、煙草を消すと車に乗り込んだ。
「日曜、俺も手伝う」
「え」
「おじさん、乗っていかないのか?」
草むらで草むしりをしている葉瀬川さんは、面倒そうに首を振った。
「良い古書が入荷したらしいから遠慮する」
「あっそ」
そう言うと、そのまま振り返る事もせずに急発進して去って行った。
――自分だってお兄さんが心配なのに。
「私、頑張ります」
軍手を装着し、庭を見渡した。
後1/3ぐらいだ。皆が頑張ってくれた証拠だから。
「みかど女史、どくだみ草は鍬を使わないと、根が深いよ」
葉瀬川さんに、鍬を渡されたので、首を振り、ジョウロを出した。
「根が捕れない場合は、ジョウロで土を濡らして柔らかくしたら簡単です」
……私、頑張らなくちゃ。