202号室の、お兄さん☆【完】
水で濡らした地面から、葉瀬川さんと草を抜き、ドラガンさんがゴミ袋に集めてくれました。
何とか大体は抜き終わった頃に、
おにぎりを頬張ったトールさんとリヒトさんも手伝いに来てくれました。
……お兄さんにも、気づいて欲しいな。
皆、みんな、お兄さんが大切で、心配で頑張ってる事を。
「もう、これぐらいで大丈夫じゃない? 私、抜けますよ」
「ありがとうございましたっ 千景ちゃんがおにぎり作ってるみたいです」
「ほっぺに土が着いてるみかどちゃんも可愛いね」
「壁の蔓や苔は俺たちが掃除やるから、ドラちゃんとおにぎり食べといで」
ドラちゃん……。
某キャラクターみたい。
だけど、お腹ペコペコだったので、お言葉に甘えさせて頂きます!
千景ちゃんの部屋からは、良い匂いも漂ってました。
中には、カレー鍋いっぱいに、豚汁を作っている、エプロン姿の千景ちゃんと、ボーっと窓を眺めているお兄さんが居ました。
「お兄さんっ 起きられたのですか!?」
「あらっ 嫌だ いつの間に!!」
ぼんやりとしたお兄さんは、此方を見た後、テーブルの上にある沢山のおにぎりを見ました。