202号室の、お兄さん☆【完】
「えぇ!?」
「花壇のお礼というかお詫びというか。アルジャーノンの仲間も居ると思いますよ。
――今週の水曜日なら、僕は仕事が休みですが」
「水曜は!!!!」
――岳理さんからの連絡待ちの日です。
あぁあぁああ! 何でブッキングするの!?
……と、言うか。
「あの、凄く行きたいのですが、今週か来週に管理人さんが帰ってくるって言ってましたよね?」
「あ、おばさん帰ってくるのか!!」
「いつかはっきり分からないけど、お兄さんは予定開けておいた方が良いって千景ちゃんが言ってましたよ」
千景ちゃんのおばあちゃん、お兄さんにいっぱいお土産を用意してると聞いていたし。
「そうですよね……。おばさん、いっつも凄い量のお菓子やら名産品を買って下さるから、楽しみですが、食べ過ぎてお腹を壊しちゃうんですよね……」
とほほ、と泣き真似をするお兄さんは、可愛い。
「さ来週ならどうですか? その日、昼からなら大丈夫です」
すると、途端に笑顔になったお兄さんは頷いた。
「はいっ。僕も大丈夫ですよ」
そう言って、カレンダーに大きく○をする。『サボテン公園』とまで書いている。
……これ、はデートじゃ、ないよね……。
お兄さんからは1ミリも下心が感じられないし。