202号室の、お兄さん☆【完】
そのまま、机の上にあった段ボールを抱えて研究室を出て行きました。
「千景ちゃん……」
「ほいほい」
「イマイチ、岳理さんが何を考えているのか分かりません……」
冷たい人、ではないのだけど……。
笑わないけれど、優しい人なのだけれど……。
口が悪いからか、行動が雑だからか、イマイチ岳理さんの考えている事が分からないんです。
「ぷぷっ それわねぇ……、葉瀬川さん」
意味深に笑うと、葉瀬川さんに目をやる千景ちゃん。
葉瀬川さんは本から、片目だけを除かせて、面倒臭そうに言う。
「んーー…? 岳リンの為にもノーコメント」
2人に聞いても、やっぱり分かりません。
自分で、親しくなって理解するしかないのかな……?
本当は、ちょっぴりお義母さんと会って怖かったけれど、岳理さんのおかげで負けなかったのに。
岳理さんには、お礼を言うのをついつい忘れてしまいます。
気が重いイベントは、2つに増えましたが、とりあえず!
明日だけは楽しもうと思います。