202号室の、お兄さん☆【完】

「亡くなった祖父の趣味。今は誰も育てる人が居ないから花とかは無いし、サボテンだけ」

そう言って、中に入るように促された。

中はガラス張りの吹き抜けの天井から、光に溢れキラキラ眩しい世界です。

温室と聞いていたから暖かいものだと思っていたけれど、ほのかに温かいぐらい……?
あまり外と変わらないです。

サウナみたいな熱さを覚悟してたのに。



「みかどっ」

呼び捨てに若干の違和感を感じながらも、おいでおいで、されたので前に進む。


「ひゃっ!!」

「西部劇のサボテンみたいだろ?」

2メートルぐらいあるサボテンが有りました。砂漠とかに生えている手があるみたいなサボテンです。
見下ろされてるみたいで怖いです。


「……皇汰がしていたゲームのサボテンを思い出しました」
「サボテンダー?」

頷くと、くっと笑われて、固まってしまいました。
――何故か岳理さん、笑っても凛々しいです。


「おばけサボテンは、その足元」

そう言われ、サボテンダーさんの足元を見たら、



「おおお!! これは!!」

ついつい興奮して野性的な声を出してしまいましたっ!



「ビックアルジャジーノンです!」
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