202号室の、お兄さん☆【完】
「定宗さんは偉大な方ですから、来る者には歓迎してくれます」
そう言って、定宗さんのミルクを作りにキッチンへ消えました。
「定宗は、一線は退いたけど、ここら辺では一番権力ある猫なんだよー。定宗に気に入られないと、街角から下っ端猫に襲われたりするらしいよ」
千景さんが携帯を取り出して、操作しながら日常茶飯事だと言わんばかりに言う。
「……鳴海さんにとっては第一発見者だし、親みたいな気持ちなんだろうね」
「……?」
すると、木の上から、2匹の猫が降りたった。
そして、定宗さんの周りで丸くなり始めた。
「やーん、見てみて! このカフェ、猫が居るよー!」
「可愛いー! 猫カフェかな♪ ちょっと入ろうよー」
学生らしき女の子2人組に、降りたった猫たちは甘えながら、一緒に店内に入っていった。
「それ、定宗の営業方法なんだよー。猫好きが来たら、下っ端を使って勧誘するの。自分は置物なのに、凄いでしょー?」
ここら辺一帯を拠点とする、
一線は退いたという猫、定宗さん。
だけど、その営業力は凄まじい。
勉強しかしてこなかった私には、知らない世界がまだまだあるみたいです。
そう言って、定宗さんのミルクを作りにキッチンへ消えました。
「定宗は、一線は退いたけど、ここら辺では一番権力ある猫なんだよー。定宗に気に入られないと、街角から下っ端猫に襲われたりするらしいよ」
千景さんが携帯を取り出して、操作しながら日常茶飯事だと言わんばかりに言う。
「……鳴海さんにとっては第一発見者だし、親みたいな気持ちなんだろうね」
「……?」
すると、木の上から、2匹の猫が降りたった。
そして、定宗さんの周りで丸くなり始めた。
「やーん、見てみて! このカフェ、猫が居るよー!」
「可愛いー! 猫カフェかな♪ ちょっと入ろうよー」
学生らしき女の子2人組に、降りたった猫たちは甘えながら、一緒に店内に入っていった。
「それ、定宗の営業方法なんだよー。猫好きが来たら、下っ端を使って勧誘するの。自分は置物なのに、凄いでしょー?」
ここら辺一帯を拠点とする、
一線は退いたという猫、定宗さん。
だけど、その営業力は凄まじい。
勉強しかしてこなかった私には、知らない世界がまだまだあるみたいです。