202号室の、お兄さん☆【完】


「何でこんなに、みかどちゃん警戒させたの?」
「やっぱ襲ったんじゃない?」

2人の美声に、岳理さんが舌打ちしました。
そして、乱暴にお茶を置きました。

……中は何故か珈琲で吹き出しそうになったけど、岳理さんの事だから、コップを見つけられなかったんだと思います。


「撫子は、何の用で此処に来たのじゃ?」

ドラガンさんが縁側から此方を向いて話しかけてきたけれど、私はそっぽを向きました。


「今、ドラガンさん嫌い月間中ですけど!」

「なんじゃ? 強化月間みたいなそれは」

私、ピーマンの時の事、まだ怒ってるんですからね!
お兄さんを同情やら哀れみやら言ったのを!!!


「お前らこそ、仕事は?」

適当に見繕ってきたらしいお茶菓子の中から、お煎餅を食べる岳理さん。


「前々から、ドラガンさんに案内頼まれてたのと」
「花忘荘の表札のデザインを見せに、ね」

そう言って、リヒトさんは鞄から数点、デザインを出してきました。


「データも持ってきてるよ」

そう言って、ipadまで操作してます。

格好良い……!

ではなくて、

早速、表札を考えてくれたんですね!!
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