202号室の、お兄さん☆【完】

そうやって、リヒトさんやトールさんと談笑してたのですが……。
「な、何ですか?」

岳理さんがずっと睨んでくるのです。

「……別に」

「気になるので、こっち見ないで下さい」

「何で?」

うぅ……!

眼力が在りすぎて、怖いんですよ!!
何でプレッシャー与えるんですか!

「免疫ないって面倒臭えな」

そうポツリと零すと、2人がすかさずキャッチしました。


「何何何何!?」
「岳理くん、どうしたの?」

2人に絡まれながらも、無表情で煙草を吸う岳理さん。
煙草を吸う唇が動くと、
先ほどの意味不明な言葉を思い出してしまいます!!


「お手洗い貸して下さい!!!」

「真っ直ぐ行って突き当たり左」

なんともふてぶてしい表情の岳理さんを睨みつけながら、適当に御礼を言って立ち上がりました。





やっぱり帰ろう!!
トイレ行くふりして帰ろう!!

あの三人が来たし、賑やかだから、私が帰ってもしばらくは気づかないはず!!


こっそり靴も回収し、皆から見えない裏へ回ろうと、家中を探索しようと思います!


「というか、真っ直ぐ突き当たりって……」

この長い長い廊下、突き当たりが豆粒みたいですよ?

私がきょろきょろ怪しく歩いていると、


「どうされましたかな?」


急に声をかけられました。
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