202号室の、お兄さん☆【完】
「あー、今日はマンガ同好会の日だから遅くなるよー」
「ごめん! 終わったらすぐ行くけど、夏物デザインの会議入ってるんだ」
「今日は、同伴だから抜けれない……。時間できたらベンツ借りて行くよ」
「すまぬ。今日は夜間の授業じゃ」
ま、まさかの全員撃沈……。
「もう郵送頼んじゃえば?」
唯一、手伝いに来てくれた皇汰が、段ボールの山を見てそう言った。
「そう、ですね。私もそれが良いかと……」
「大丈夫です! 僕が3箱持って何往復かしたら終わります!」
そう、決意したお兄さんは、なかなか格好良いのですが、
線の細いお兄さんでは難しいような……。
「とりあえず、軽いの俺と姉ちゃんで持って行こう」
「すみません。皇汰くん」
私は、葉瀬川さんのネクタイやらベルトが入ってる段ボール、
皇汰はリヒトさんやトールさんの段ボールを持ってくれた。
まぁ、私と皇汰が何往復かしたら大丈夫か……。
「姉ちゃん」
「はいはい」
「………」
皇汰は少し、無言になってから言った。
「親父帰ってきたら、どうすんの?」