202号室の、お兄さん☆【完】
「では、戦いますのね……?」
そう聞かれて、私は俯いた。
全身の震えは止まらなくて、
でも私なんかが泣くのは、お兄さんに失礼だったから、ぐっと唇を噛んだ。
「わ、私、ちっぽけで、……お、お兄さん…に何かできる程、で…できた人間で、も無くて、ずっと、ずっと言い、な…りの、自分を持たない人形で……」
弟に守られて、千景ちゃんに憧れて、岳理さんに助けてもらうだけの情けない自分。
「ま、まずは自分の問題とた、戦います!! そして、逃げないで、父と向き合って、自分と戦ってから、お兄さんと向き合いたい……です」
俯いたまま、情けない格好だったけれど、顔を上げたら、麗子さんは笑っていました。
優しく穏やかに、やはり慈愛に満ちた美しい笑顔で……。
でも、分かってる。
この人がいくらお兄さんを大切にしてても、敵でも味方でもないんだ。
「「……みかど、ちゃん??」」
私と麗子さんが向かい合って見つめあっていたら、後ろから声がした。
「あ、え……?
トールさんとリヒトさん……?」
そこには、スーツ姿のお二人が立っていました。