202号室の、お兄さん☆【完】
「何でみかどちゃんが居るの?」
「おばちゃん、みかどちゃん虐めてないよね」
「まぁ、失礼ですわね。お二人はどうしましたの?」
麗子さんが立ち上がると、リヒトさんもトールさんも麗子さんを抱き締めた。
「あんなに素敵なお土産貰って、お礼を言えないなんてないよ」
「運転手さんに頼んで、ここを教えて貰ったから。空港まで見送るよ」
「まあまあ」
麗子さんは乙女の様に笑うと、ゆっくり私を見つめた。
「お父様と戦うの、頑張って下さいね。もし、分かり合えなかった場合は、私に学費を援助させて下さいな」
……この人は、どこまで私の事を調べたのだろうか。
全て分かった上で、私を花忘荘に受け入れてくれたんだ……。
そして、今も受け入れてくれている。
「「みかどちゃん、空港まで一緒に行く……?」」
2人に問われて、私は首を振った。
「ううん。用事ができたので」
そう言うと、麗子さんはウインクをして、2人にエスコートされて部屋を出た。
私も、ふらふらながらも立ち上がり、目指す場所へと向かった。