202号室の、お兄さん☆【完】
正に一触即発!!
蛇に睨まれた蛙どころか、睨まれたプランクトンです。
「あ……の」
ブラックお兄さんに、渋々重い口を開けて、言いました。
「麗子さんに、お兄さんの過去を聞きました」
「へ?」
ブラックお兄さんは目をまん丸にして、いつものお兄さんにシュルルと戻っていきます。
「あの、すみません、でも私、興味本位ではなくて!!」
土下座するように両手をついて謝るが、お兄さんは気が抜けたように、ペタンと座り込みました。
「おばさん、みかどちゃんに教えたんですか?」
「はは、いっ」
「意外です……。人に他言したくないって言ってたのに」
茫然とするお兄さんを見ると、何だか申し訳なくなってきます。
「すみません……。勝手に聞いたくせに、勝手に暴走して」
「い、いえ。此方こそほっぺ摘んですみません。
別に千景さんや葉瀬川さんも大体は把握してるみたいですし、僕は大丈夫なのですが……」
そう言うと、ジョウロを持って水やりを始めてしまいました。
まだ少し動揺が見られます。
「あの! 」
恐る恐る、お兄さんの背後に呼びかけてみました。