202号室の、お兄さん☆【完】
すぐに窓を閉め、アクセル全開で車は去って行きました。
行き、ましたけれど……。
さっきの言葉って?
それって……。
う、うわー! うわー! うわーぁぁぁ!
違う違う違う違う違う! それじゃ私、まるで!
でも、だったら何で会いに行ってしまったんだろう。
何で抱き締められて、安心したんだろう。
は、離して欲しくないって切なくなったんだろう。
言うだけ言って、さっさと逃げた岳理さんが憎いです。
早く、お兄さんの笑顔を見て安心して、この気持ちを落ち着かせたい……。
今日も、自分の部屋に戻れそうにないので、葉瀬川さんのマンションにお邪魔しよう……。
もし、
――わ、私が、
お兄さんを塔の上から助け出す王子様になるとしたら、
あ、なたは……
あなたは私の、何ですかー…?