202号室の、お兄さん☆【完】


お兄さんに昨日の暴走を心から謝罪し、もう避けずにゆっくり向き合う事を決意した矢先、


大大大、大事件を運んで来た人がいます。



「みかどちゃん、バジル達の水やりを頼んでも良いですか?」
「はーい」

お兄さんが百均で買ったピンクのゾウサンジョウロを持ち、テラスへ向かう時、その人はやって来ました。


「いらっしゃいま……」

黒いTシャツにGパンのラフな格好の、『迷』探偵さんが……。

「せぇぇぇぇ!!!!」

「うるせーな」

驚いて固まってる私をよそに、『迷』探偵さんはベンチで眠っている定宗さんに、お菓子を渡しました。

「着色料、保存料は入ってねーよ」

優しい!!!

では無くて、何で!!?




「迷子の猫をこの付近で見た奴がいる」

「だ、だから何で此処に!?」
そう言うと、涼しい顔をして首を鳴らしました。



「俺と会えば、記憶ぐらい思い出すんじゃねーかな、と」

「あ、荒療治過ぎますよっ」


そこへ、キッチンからお兄さんが此方に向かって来るのが見えました。



「大声出してどうしました?」


大ピンチ!
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