202号室の、お兄さん☆【完】

「あの、本当に今日はありが」
「何でみかどがお礼を言うワケ?」

不機嫌そうに言うと、花忘荘の方角へ踵を返す。


「鳴海は俺の友達だから、みかどがお礼言うのは変だろ」

「そ……ですが」


ぐんぐん進んでいく岳理さんがとても遠くに感じて、慌てて服の裾を掴んだ。

「………」

岳理さんは歩くのを止めて、ゆっくり振り返る。


「鳴海の問題は終わったけど、お前の問題はまだ終わってないだろ?」

そう言われたので、私は何度も何度も頷いた。


すると、諦めたような重い溜め息を吐いて、裾を掴んでいた腕を掴まれる。




「いつでも、相談しろよ。
――必ず」


――必ず力になるから


そう言うと、手をパッと離されて花忘荘の二階を登ろうと動き始めました。







とととと、とてもドキドキしながらも、岳理さんも心無しか照れている様な気がしました。


「みかどー? とりあえず今日は私の部屋に泊まってー?」

千景ちゃんが101号室から手招きしながら、そう言ってくれた。


岳理さんと私は101号室へ入ると葉瀬川さんとお兄さんとドラガンさんと皇汰が居ました。


「鳴海んは、私の書斎を使って良いよ。土日以外は居ないし」
「いや、こいつは俺が預かる」
岳理さんが、お兄さんの首に手を回します。
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