202号室の、お兄さん☆【完】
「お兄、さん……?」
お兄さんは、両手でバシャバシャと川の地面を叩きながら、爆笑していましたが、やがて私の頭を指差しました。
「頭、さかな……」
「へ?」
お兄さんに定宗さんを渡して、頭を触ると、……お魚型ビスケットが2,3個突き刺されて……いました。
「わ、笑うなんてひどいです!!!」
「あはははははははっ」
お兄さんがあんまりにも、悪気がなく、楽しそうに笑うので、釣られて私も、笑ってしまいました。
「定宗さんも、怪我無くて良かったね」
「本当っ 大丈夫でしたか?」
定宗さんの顔を触ろうとすると、定宗さんがパンチを繰り出してきました。
しゃっしゃっと繰り出す度に、お兄さんも揺れて慌てていて、凄く可愛かったです。
あっ……これが、本当の猫パンチだ!!
そう思ったら、私もお兄さんも笑いが止まらなくて、
川の中でしばらく、2人と一匹で笑っていました。
「で、ずぶ濡れなわけね」
花忘荘に帰り着いた私たちを、千景さんは呆れながらも迎え入れてくれました。