202号室の、お兄さん☆【完】
……今まで、お父さんとちゃんと話した事ってあったっけ?
首をひねってみたけど、なかなか思い出せません。
小学校受験で、補欠入学してから、
……テストの後は、あの蔑んだ目を見るのが怖かったし、
皇汰と比較しては自分を下げられるから、なるべく会話しないようにしていた気がする。
もしかしたら、お父さんは、
私が傷ついている事は知らないのかもしれない……。
それか、私が傷ついても別に心が痛まないのかもしれない。
それは、本当に家族として機能しているのでしょうか?
……分かりません。
この10年、逃げてきた今、何も分からないんです。
傷つくかもしれない。
分かり合えないかもしれない。
それでも、中途半端なままでは居たくない。
私も壁をぶち破らねば!!
「たこ焼き……美味しいですね」
そう言うと、お兄さんがにっこり笑った。
「ネギにポン酢や、大根おろしにポン酢、チーズや明太子マヨもいけますよ!」
そう言って、私にソッと自分の分のたこ焼きをくれました。