202号室の、お兄さん☆【完】

「壊した壁の請求、おばあちゃんに回しても良いと思う……?」

その瞬間、賑やかだったたこ焼きパーティーが、一瞬にしてお葬式の様に静まり返りました。


「いや、孔礼寺に回せ。親父が鐘をつく真似をしたのが悪い」
「「「「それだ!」」」」

「「そ、それだっではありません!」」

あ、私とお兄さん、同時に同じ事を喋ってしまいました。


「まぁ、いいわ。見積もってから考えるわね」

そう言うと、解散の流れとなり、各々の部屋へ戻って行きます。

心なしか、皆さんの『おやすみ』の声が元気無いです。



「お前、しばらく泊まる荷物まとめろよ」
「あ、はい。でも何日もお邪魔するわけには……」

「気にすんな」

お兄さんと岳理さんも、何か色々と話し込んだまま、二階に上がって行きます。

……本当に行ってしまうんですね。
私もパジャマをとりに、後ろを上がって行きます。


すると、私の心を読んだのか、突然岳理さんが振り返りました。

「みかども来たい?」


な、ななななななんですと?



「冗談だよ」

クッと笑いまた正面に向き直りました。

こ……この悪魔野郎め!
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