202号室の、お兄さん☆【完】
「おい、人に準備を押しつけんなよ」
「はい、すみません」
不機嫌そうな岳理さんとは反対に、お兄さんは上機嫌です。
ほ……本当に正反対な2人です。
でででもっ!!!
お兄さんの心の中には私が侵入したままって、ちょっぴり嬉しいです!
それって、良い方向の変化ですよね。
なんだか、照れてしまいます。
私のお姫様は、もう前を歩き始めているみたいです。
「おい」
「うわっ!」
「――てめぇなぁ」
露骨に驚いた私に、岳理さんは不機嫌になりました。
……だってお兄さんと違って、勝手に入って来るんだもん!
「じゃあ、みかどのお姫さんは貰って行くからな」
「か、返して下さいよ」
ニヤリと意地悪ににやけた岳理さんが憎らしいです。
「却下だ」
「!」
私が即座に反応したら、岳理さんは急に真顔になりました。
「次はお前が姫さんになる番だろ」
「へ?」
「バズーカ砲で壊すから、覚悟しとけよ」
そう言うと、壁の中へ戻って行き、あちら側から蓋がされました。
返事も聞かず、去って行きました。