202号室の、お兄さん☆【完】
かと言って、嘘を付いても真実を知ったら更にお兄さんが傷つくし。
「あ、あまり話さないのでどんな方かは……」
私がお茶を濁すと、お兄さんは目を優しく細めました。
「みかどちゃんは優しいですね。岳理くんから『お色気糞ババア』と聞いていたのですが、みかどちゃんを見る限りそれが真実なんでしょうね」
が、岳理さん……。
ちょっぴりアナタのその正直な所は尊敬します。口が悪くなければ……。
「小さい頃から姉は要領が良かったから、納得できます。母が帰って来なくても、友人宅でご飯を頂いたりしてたみたいですし」
その上、お金持ちな家に養子に行けたんだから、お義母さんはお兄さんの辛さとか分からないんだろうな……。
お兄さんの苦労を知らないで、財産を管理とか言ってたのが今更ながら腹立たしく感じて来ました。
同時にお兄さん、記憶がどんどん戻ってきてるんだと実感させられました。
「お兄さんには二度と近づいて欲しくないです! でもお兄さんが会いたいなら、私、守りますから!!」
「みかどちゃん……」
「おい、邪魔するぞ」
本当にお邪魔虫さんが登場しました。
「岳理くん!」
あぁああ!
お兄さんが満面の笑みを浮かべている!