202号室の、お兄さん☆【完】
明後日の朝9時に、空港内のカフェを指定され電話は切れた。
心臓が重く早く高鳴る。
けれど、怖くてもこれで全てが片付くんだ。
「みかどちゃん……」
お兄さんが心配そうに名前を呼ぶが、ふにゃっと頑張って笑って見せた。
岳理さんは深い溜め息を付いた後、苦笑した。
「みかどは親との戦い。
鳴海は初めて戒めを破る戦いだな」
そう、です。
明後日は、お兄さんも初めて監禁を止める土曜日なのです。
2人して決戦の日が被るなんて、ちょっぴり運命のような感じでくすぐったいですが、
お兄さんも頑張ってるのだと思うと、私も頑張れます!
「着いていけませんが、僕も頑張りますから、みかどちゃんも頑張って下さい」
そう言うお兄さんの笑顔も、ふにゃっとしていて全然安心できない笑顔でした。
「――頑張れよ。すぐ呼べ」
岳理さんはお兄さんが心配なようで、私ではなくお兄さんと居るのだと思います。
同じ、日、同じ、時間、
同じ第一歩を歩む私とお兄さん。
――きっと、2人だから乗り越えられるはずです。
ど、土曜日、頑張ります!!