202号室の、お兄さん☆【完】
「ぐたらねー事言わねーで、バターの作り方説明すんぞ」
…………?
岳理さんからも何か言われるかと身構えていたら、意外と簡単にスルーされてしまいました。
私、何を期待しているのか。
「この500mlのペットボトルに生クリームと塩を入れて、30分間降るだけ。以上。2組でやれ」
おぉおお! 手作りバターって生クリームと塩だけなんですね!
ちょっとときめきます!
そして、この生クリームもさっきの某有名シェフ監修って書いてます。……岳理さんは高級思考なんでしょうか?
「みかどちゃん、僕としましょ」
気づけば、もう皆さんペアを組まれて、ペットボトルをシェイクし初めています。
お兄さんが、塩を私に入れされてくれました。
「30分以内に出来なければ分離してしまいますから頑張りましょうね」
「おぉお! さすがカフェオーナー!」
お兄さんは得意気に、カクテルをシェイクするみたいにオシャレに振り出しました。
ドラガンさんとトールさんはマスカラを振るみたいに睨み合いながら、対決中です。
「いやぁん。谷間に汗かいたぁぁ」
「千景さんは休んでて下さい」
皇汰はデレデレしながら、ペットボトルを奪いました。