202号室の、お兄さん☆【完】
私も甘えてしまっているから、
頑張って強がって、緊張しているのであれば、
私は一体何ができるんだろう……。
いっぱいいっぱい頼ってしまったのに。
「みかどちゃん、バター美味しいよ」
リヒトさんがペットボトルをハサミで切ってくれました。
「ほれ、餡を包んだドラガンスペシャルじゃ」
「みかど、ハートホットケーキ!」
皆さんが思い思いのホットケーキを皆さんに配る中、岳理さんはフッと片付けに消えてしまいなかなか現れません。
探そうとウロウロしていたら、皆さん食べ始めて私も流されて座ってしまいました。
すると、自分で作ったパッケージに載りそうなホットケーキをお兄さんが一口食べて、目を見開きました。
「お兄さん……?」
「……れ」
お兄さんはもう一口食べて、神妙な顔をします。
「どうしました?」
「いえ……食べた事が……。よく小さい頃に食べてた味です」
そう言った後、首を傾げました。
「も! もしや以前話していた『お袋の味』とやらですか!?」
「わっ分かりません!」
2人で顔を見合わせ感動していたら、皇汰が食べながら此方を見ました。
「お兄さん、貧乏なのに、こんな高いホットケーキミックス食べれたの?」
そう言われ、お兄さんは即座にショボンとしました。