202号室の、お兄さん☆【完】
「へ……?」
またまたお兄さんが拍子抜けした間抜け……ではなく可愛らしい顔で首を傾げています。
「おばあちゃん、この有名シェフのおっかけで海外旅行に行ってるのよ。海外のお土産のお菓子やら食料は、殆どこの人が関係してるのよね……」
そう言って、お兄さんが持ってきたベルギーチョコと、ホットケーキミックスのパッケージを見ると、同じ人の名前が書かれていた。
『THE CHIEF EDITOR:TATSUMI ARISUGAWA』
「へぇ、気づかなかった~。ばあちゃん、海外に追っかけとか本当にセレブだね」
「あ~、亡くなった旦那さんの若かりし時に似てるって言ってたよねー」
リヒトさんトールさんが驚いている中、ドラガンさんと葉瀬川さんは冷静でした。
「でも、小さな頃から麗子さんのお土産食べてたんだから、それが懐かしい味だと錯覚するのは当然だと思うよ」
「そうじゃ。儂は良い酒ほど記憶に残る。食べ物に執着のある鳴海殿が、高級ホットケーキの味を忘れられない気持ちは儂も分かるぞ」
大人の冷静な意見に、お兄さんの表情も少しずつ笑顔になっていっています。
……良かった。
「そうですね。おばさんのお土産もほぼ僕のお袋の味のような物です」
そう言って、三枚目のホットケーキを切りにかかりました。
またまたお兄さんが拍子抜けした間抜け……ではなく可愛らしい顔で首を傾げています。
「おばあちゃん、この有名シェフのおっかけで海外旅行に行ってるのよ。海外のお土産のお菓子やら食料は、殆どこの人が関係してるのよね……」
そう言って、お兄さんが持ってきたベルギーチョコと、ホットケーキミックスのパッケージを見ると、同じ人の名前が書かれていた。
『THE CHIEF EDITOR:TATSUMI ARISUGAWA』
「へぇ、気づかなかった~。ばあちゃん、海外に追っかけとか本当にセレブだね」
「あ~、亡くなった旦那さんの若かりし時に似てるって言ってたよねー」
リヒトさんトールさんが驚いている中、ドラガンさんと葉瀬川さんは冷静でした。
「でも、小さな頃から麗子さんのお土産食べてたんだから、それが懐かしい味だと錯覚するのは当然だと思うよ」
「そうじゃ。儂は良い酒ほど記憶に残る。食べ物に執着のある鳴海殿が、高級ホットケーキの味を忘れられない気持ちは儂も分かるぞ」
大人の冷静な意見に、お兄さんの表情も少しずつ笑顔になっていっています。
……良かった。
「そうですね。おばさんのお土産もほぼ僕のお袋の味のような物です」
そう言って、三枚目のホットケーキを切りにかかりました。