202号室の、お兄さん☆【完】
「はい!」
そう言ってまた私を見たお兄さんは、優しい瞳をしていました。
「明日、みかどちゃんに伝えたい気持ちがあります」
「へ……?」
「頑張る予定の自分へのご褒美なんです」
んん??
益々分かりません。
「僕の気持ちを明日、みかどちゃんに伝えます」
へー……。
え……?
ええええぇえ!!???
「だから、その時は嫌がらず聞いて下さい」
「は、はい」
「一言で伝わるように言いますんで!」
そう言ったお兄さんは、縁側をクラウチングスタートで!!
ドラガンさんの所まで走って行ってしまいました……。
頬が赤かったのは、遠くでキャンプファイヤーをしている炎のせいだと思います。
だって、私も真っ赤なのですから。
明日は始まりと終わりの日。
お兄さんは監禁と戒めを。
私は、父への気持ちを。
岳理さんは自分の気持ちと。
――戦いたいと思います。
私もお兄さんの後ろを追いかけました。
「わ、私で宜しければ、信長役を!!」
今だけは全て、考えないように。