202号室の、お兄さん☆【完】
「浮気? ……父?」
その笑顔のまま、色々と混乱中の座っている父を睨みつけました。
「あの、違ってたらすいません。でも、父とあなたから同じ香水の香りがしたし、父にだけ砂糖とミルクを2つ持ってくる程、好みをご存知みたいだし、し視線で会話したり珈琲を注いだりしてたから……その」
「……貴男、奥さんとは離婚しているんじゃなかったの?」
「――離婚したが再婚した」
そう、気まずそうに言うと、目を泳がせた。
「真絢さんが大事なら、違う女性と会うのはおかしいと思います。彼女にも真絢さんにも不誠実です!」
そう言う私の横で、笑顔の店員さんがお代わり用の珈琲を、父の頭の上にかざした。
ジョロジョロジョロ……。
「あ、熱っ 熱い!」
「奥さんいるのに私で遊ばれてたんですね。そんなブサイクな顔でたいした事を」
し、修羅場になってしまいましたー!!!
「じゃ、仲良くしてろよ」
「あの、しっかり謝った方が良いですよ」
そう他人事のように2人は言うと、私の腕を掴んだ。
私は連れて行かれる宇宙人のように、左右の2人にガッチリ捕まえられ引きずらています。
「そ、そういう事なんで、また4年後にー……」
曖昧に手を振るが、父は全く此方を見れませんでした。