202号室の、お兄さん☆【完】


パチパチ……


「!?」

疎らながら、空港内に居る人たちから、拍手が起きています。

はっ!! 外人さんがカメラを構えています!


「………お前ら何やってんだよ」

車のキーを指でクルクル回しながら、岳理さんが登場しました。


「何って、プロポーズです」


ぷ!!! プロポーズ!!?


「……免疫のねぇ鈍感女にはこれぐらいが良いかもな」



「あ、あの、でも、わ、私、ままままだ、学業に身を置く身ですし、ままだ未成年? もう未成年? あれ!?」

ち、注目されてるし、
お兄さんは膝をついたままだし、
私はまだ親に養って貰ってる身だし、

は、拍手されてるし、


そ、空は快晴だし!!!!!


うわぁぁぁぁああぁん!!!

ど、どうしたら良いんですか!?



「とりあえず、この薔薇はみかどちゃんの為の花です。18本ありますから」


そう言われ、取りあえず受け取った薔薇には……トゲトゲがありませんでした。



「みかどちゃんにはトゲはありませんから」


ま……、眩しい。

ホスト姿なのにお兄さんの笑顔は綺麗で見とれてしまいそうな程に眩しいです。





「返事は今週水曜日のデートの時にでも、ね」




 
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