202号室の、お兄さん☆【完】
「で、どうしてそうなったの?」
興味津々に見られ、私はパニックになりながらも、何とかまとめて話そうと慌てますが、
「白っ……白いホストで赤い薔薇でトゲが無くて水曜日なんです!!」
「んー……? 何語?」
そ……そうなんです。
まだ思い出すだけで、地球を一周できそうなぐらい暴れそうなんです。
う……嬉しくて、幸せで………けれど、結婚って……ま、まだ若輩者の私には早い様な……?
「で、岳リンは何て?」
「え……?」
じたばた暴れていたけれど、葉瀬川さんの言葉に、すぅーと現実が頭に戻って来ました。
「岳リンからは何も言われて無いの?」
「な……も言われてない……ですよ」
ズズーッと氷の隙間に残ったオレンジジュースを吸い出すと、葉瀬川さんは詰まらなそうに溜め息を吐いた。
「本っっ当に岳リンはヘタレなむっつりだなー」
「が、岳理さんは今は、か、関係無いのですよ」
こ、これ以上悩まさないで下さい。
「あらっ 葉瀬川教授じゃん♪ 夜ご飯、奢ってくれるのかしら?」
「ち、千景ちゃん!」
黄色のチェックのミニワンピに、大きな丸いピアス、レトロで可愛い雰囲気の千景ちゃんが葉瀬川さんを見つけて機嫌を良くしました。