202号室の、お兄さん☆【完】
そう言って、ドラガンさんは203号室へ入って行きました。
う……内気な乙女。
アルジャーノンも、私と同じ乙女なのかもですね!
アルジャーノンも、やはりこ……恋に悩んだりするのでしょうか……?
私は自分の部屋の前で色々考えていたら、203号室のドアが再び開きました。
「おお、良かった。撫子、悪いが、これを鳴海殿に渡してもらえるか?」
「え? ……お、お兄さんに?」
嫌な予感がするものの、ドラガンさんから封筒に入った分厚い書類を受け取った。
「これは……?」
「儂が、時々神父のバイトをする結婚式場のパンフレットだ」
「!!!!」
け……、けけけけ!!!!
結婚式場のパンフレット!!!?
「鳴海殿に土曜日に頼まれてたんじゃが、遅くなってしまっ……おい! 撫子!?」
ドラガンさんの話の途中ですが、め、目眩でよろけてしまいました。
「なんじゃ? もうマリッジブルーか?」
「……違いますよ」
「もしこの式場にするなら、儂が居るから沢山割引してやるぞ」
そうにこやかに言うドラガンさんには申し訳ないのですが……、
お、お兄さん、暴走しすぎです!!