202号室の、お兄さん☆【完】
「みかどちゃん……」
お兄さんは頬を染めて俯きました。か、可愛くて……まさしく恋する乙女です。
「そんなに、真剣に考えてくれて嬉しいです」
いや、私の方が女の子のはずなのですが……何故か負けた気分です。
「それよりも水曜日に行くシャボテン公園と言う所なのですが……」
甘ったるい気分を吹き飛ばしたくて、話題を変えると、お兄さんは何故かダイニングバーに置いていた観光マップを開き出しました。
「ここの駅から直通のバスがあります。サボテンの他に、カピバラさんがお風呂に入ったりするらしいです」
「カピバラさん!」
「リスザルも」
「リスザル!」
「世界各地のサボテンも!」
「サボテン!!!」
うわわわわわぁ!!
私、動物園とか小学校の遠足以来かもしれません!
観光マップに小さく映る写真にはカピバラさんがお風呂に入ってます。か、可愛い~~!
「じゃあ、明日はお昼休憩に観葉植物も見に行きませんか?」
マップに釘付けだった私を、お兄さんはクスと笑って、頭を撫でてくれました。
「定宗さんたちに害の無い観葉植物を勉強したので」
そう言うお兄さんは、天使の様に綺麗に笑うので私は見とれてしまいました。