202号室の、お兄さん☆【完】
2人には何を言っても今は無駄な様でした。
こんな優しい2人を怒らせるなんて、……岳理さんは一体何をしたのか凄く心配です。
「あ、鳴海ん、これ俺の会社の系列の、ウェディングドレスのパンフレット」
「あ!!! 理人さん!!!」
慌ててお兄さんはリヒトさんの口を手で抑え、私を見ますが、もう私は聞いた後です。
真っ赤なお兄さんに、私が何も言えるはずありませんが……。
「2人の結婚式、俺がメイクするよ。髪型もいじれるし」
トールさんがパラパラとパンフレットを捲って、楽しそうに言いました。
「早めに分かったら、ドレスは俺がデザインしたいなー♪ ドレスとかデザインするの初めてだし」
リヒトさんもウキウキとパンフレットのドレスを眺めています。
「あ、じゃあ僕のタキシードも」
「は? 結婚式のメインは女の子なの。新郎とかレンタルで十分だよ」
「モカ、リカ、ジャロ、モナにも可愛いリボンをつけてあげるよ」
「良いですね!!」
だ、駄目です。
リヒトさんとトールさんもお兄さん同様に暴走中です。
皆さんでパンフレットを見て、キャッキャッしてます。
どちらが女子か分かりません。