202号室の、お兄さん☆【完】
「顔殴ったらみかどちゃんと鳴海んが心配するでしょ♪」
そうニヤニヤ笑う玄理さんを、岳理さんは睨みつけると、お兄さんは岳理さんのお腹にすりすりし出しました。
「鳴海! お前ももう起きろ!」
「みかどちゃ……むにゃむにゃ」
とうとう岳理さんはお兄さんを無理矢理はがし、床にぺいっと投げつけました。
お兄さんはうつ伏せのまま、ピクリとも動きません。
「あの……お兄さん、ずっと側に居るとは言ったのですが……明日はデートですし、お風呂に入って寝に帰っても宜しいでしょうか?」
そう、近づいて囁くと、恐怖漫画のようにお兄さんの顔が、ぐるんと此方に向き、目をぱっちり開けました。
「みかどちゃん!!??」
「はい」
「今までのは夢じゃなくてみかどちゃん!?」
「はい。あ、でもすりすりしてたのは岳理さんのお腹です……」
そう言うと、冷や汗を垂らして岳理さんを見ました。
岳理さんは無表情でお兄さんのお尻を踏みつけていました。
「ひぃぃ! ごめんなさい!!」
岳理さんはまだ怒りが収まってないのか、今度は頭をグリグリしています。
「じゃあ、私はみかどちゃんを送ってくるから、鳴海んと岳リンは早く寝んねしとくんだよ」